Design Stories -Tulip Hair Ribbon&Peony Scrunchie-

春の風が心地よく感じる季節、leinwande 2025 Spring/Summer Collectionの中でも特に注目を集めているヘアアクセサリーコレクション。今回は、チューリップとペオニーという2つの花をモチーフにしたアイテムに焦点を当て、その製作過程を紐解いていきます。

花の美しさを立体で表現する挑戦

今回のコレクションで誕生したヘアアクセサリーは、ただの装飾品ではありません。デザイナーが心血を注いで作り上げたのは、リアルな花の立体感をパターンと縫製で忠実に再現するという挑戦です。

「Botanical Garden by the Sea」をテーマにした今季、インスピレーションの源は植物学者で写真家のAnna Atkinsの作品。彼女が捉えたフラットな草花の姿は、元々フラットな布の裁断からはじまる洋服作りとつながるものがあります。そこから着想を得て、春に咲く代表的な花、チューリップとペオニーに着目しました。これらの花は、短い期間で咲くため、その儚さや美しさが特別な印象を与えます。
ヘアアクセサリーとして製作するにあたって、デザイナーは「身に着ける人のシーンを選ばないもの」を目指し、バッグやヘアアクセサリーなどが候補に上がりました。選ばれた素材は、シフォンやオーガンジーではなく、リネンやコットンなどカジュアルで軽やかな印象のもの。これにより、日常使いにも適した花々のアクセサリーが誕生したのです。

試作と細部へのこだわり

ヘアアクセサリーの製作には、モデリストとの緻密な打ち合わせが欠かせませんでした。今回は普段クチュールピース制作などを生業にするモデリストの方と一緒に作っています。
特に、チューリップの花びらを立体的に再現するためには、何度も試作を重ね、ワイヤーやヒートカットされた生地を駆使して、花びら一枚一枚を丁寧に作り込んでいきました。試作段階では、型紙の調整から本番生地でのトワル作成まで数回のリハーサルを経て、ようやく完成形にたどり着いています。

ペオニーに関しても、花びらの丸みをリアルに再現するために、異なる素材を重ね合わせて立体感を出すという工夫が施されています。マテリアルを盛り込んだので最初は麦わら帽子ほどの大きさにまで成長してしまったペオニーでしたが、最終的に絶妙なサイズ感に落ち着き、完成品を見たときにはその華やかさに思わずガッツポーズをしました。

縫製の難しさと職人技

これらのヘアアクセサリーは、決して簡単に作れるものではありません。特に縫製においては非常に高度な技術が要求されました。チューリップの花びら一枚一枚には、花芯を支えるために細いシリコンワイヤーが縫い込まれており、この細かい縫製作業は特別な技術を必要としました。さらに、生地の重なりが厚くなるため、工場も限られ、国内の熟練した職人の手によって仕上げられました。


誰にでも似合う華やかさ

最終的に仕上がったこれらのアクセサリーは、華やかでいて、どんなスタイルの方にも似合う要素を持ったアイテムです。
leinwandeをお好きな方はもちろん、普段leinwandeは着られない方、自然植物がお好きな方、などなど様々な方に手にとっていただきたいです。
実際、パリのショールームではフランスの小学生の姉妹がその美しさに魅了され、いろんなヘアアレンジに挑戦する姿が見られるなど、年齢やスタイルを問わず多くの人々に愛されるアイテムとなっています。

leinwande 2025 Spring/Summer Collectionのヘアアクセサリーは、デザイナーと職人の技術が融合した、ただの花モチーフではない、芸術的な美しさを持ったアクセサリーです。
チューリップやペオニーといった花々が持つ生命力と儚さを、日常で身に着けられる形で表現しています。季節を問わず、どんなシーンにもフィットするこのアイテムを、ぜひあなたの日常にも取り入れてみてください。